仲尾 宏 理事長  韓国国際交流財団賞を受賞 日本人初 - 一般社団法人在日コリアン・マイノリティー人権研究センター

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仲尾 宏 理事長  韓国国際交流財団賞を受賞 日本人初

【投稿日】2021年11月3日(水)

 当センターの仲尾宏理事長が、朝鮮通信使のユネスコ世界記録遺産登録や在日コリアンの人権擁護にかかわるさまざまな活動などに大きな役割を果たしたとして韓国国際交流財団「第8回韓国国際交流財団賞」を受賞した。
 同賞は海外で韓国との相互理解増進のために貢献した人たちに贈られる。2008年の制定から隔年で6人が受賞したが、日本人の受賞は今回が初めて。受賞式と記念講演はソウルで予定されていたが、コロナ禍で訪韓が難しいため10月21日、大阪韓国総領事館にて行われた。

【受賞のあいさつ】
 このたびははからずも貴財団の国際交流賞受賞の栄誉をいただき、心よりお礼申し上げます。
 私は長年、日本で教員として日本の若者や韓国からの留学生の教育にあたってきました。また一人の歴史研究者として古代から現代まで日本と韓国の歴史の研究にかかわってきました。
 東アジアの東北部に位置する両国は有史以前から人びとの往来と交流があり、その結果もあって、それぞれにすぐれた文化を築いてきました。その間、お互いの文化を学びあい、人と物の交流の結果、世界に誇りうる歴史上の遺産を形成してきました。
 しかし残念なことに、日本からは理由もなく貴国(韓国)に侵略と支配を重ねた時もありました。これは日本人として恥ずべきことであり、その不当性の償いを日本人は深く自省しなければならない、と私は自覚しています。
 私は長年、日本と韓国の間にすばらしい交流と学びあいの歴史があることを知りました。
 15世紀から19世紀にかけて、とりわけ壬辰倭乱のあとの約200年間の朝鮮通信使の往来の結果、貴国(韓国)と日本国の間には信義をかわす関係が成立し、たがいに学びあう関わりができました。
 残念なことにそのような関係は1811年を最後として終わりをつげましたが、このすばらしかった時期の遺産から学びあうことはとても大切なことだと自覚できました。そしてこの歴史的自覚を現代の人びとに伝え、今、何を大切に考えねばならないかを、一人でも多くの人びとに伝えることが私のもうひとつの使命である、と信じております。
 今回の貴財団からの栄ある受賞を機にさらに私の微力を尽くして両国市民の友好と親善の増進に努めたいと存じております。このたびはほんとうにありがとうございました。