「東山浄苑 東本願寺」による国籍条項問題 - 一般社団法人在日コリアン・マイノリティー人権研究センター

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「東山浄苑 東本願寺」による国籍条項問題

【投稿日】2019年4月15日(月)

 「東山浄苑 東本願寺」(京都市山科区)は4月29日に実施する「花まつり」で「お釈迦様の生母・第8代マーヤ夫人」を募集、その対象を「日本国籍の女性」として、国籍条項を設けていたため、KMJは「国籍条項」は在日外国人にたいする差別であり、人権問題であるとして抗議し、2月13日(水)に要望書を提出、その撤廃などを求めました。
 ところが、期限の3月4日に回答がなかったため、事務局が問い合わせたところ、この件では「一切とりつがない」という対応をされました。そこでKMJの藤原史朗常務理事が早速、抗議文を送付しましたので、紹介します。

 東山浄苑 東本願寺 御中

 貴団体「花まつり」における第8代「マーヤ夫人」 募集に関して
                                      2019年3月13日
                                       宝塚市在住-キリスト者 藤原史朗

 去る2019年1月31日朝日新聞広告で、貴団体の「花まつり」開催の予告を知りました。その中に、「稚児行列」に同行のお釈迦様の生母「マーヤ夫人を演ずる女性」を求めるとの募集項目がありました。そこには「18歳~35歳の仏教徒で日本国籍の女性・・・」と条件が記載されておりました。仏教徒、年齢、女性の条件は別にしても、何故「日本国籍」が条件としてあげられているのか、全く理解できません。
 急速に進む国際化の時代、在日渡日の外国人の人口は、今や、300万人近くになる状態でありますが、マーヤ夫人に何故韓国朝鮮人、中国人、ベトナム人を始めとする東南アジア出身の仏教徒は応募することができないのでしょうか?こんな理不尽で外国人差別としか云いようのない条件を、何故貴団体は新聞紙上に広告とは云え公表されたのでしょうか。

 そもそもお釈迦様は何人だったのでしょうか。彼をお産みになったマーヤ夫人は日本人でしょうか?
 私はキリスト教徒でありますが、仮に「花まつり」をキリスト教会の「クリスマス」におきかえて考えてみますと、イエスを出産した母マリアは、日本国籍の女性ということになります。マリヤは日本人でしょうか。
 私は、高等学校の社会科教員として、在日韓国朝鮮人を始めとする多数の外国人生徒にかかわってきました。その中で、彼、彼女らの進路を阻害するものの典型が、資格条件の「日本国籍を有する者」です。かつて40年ほど昔、京都産業大学の推薦入試にこの条件があり、これの撤廃に全校をあげて取り組みました。今日、京産大を始め、各大学にかような差別的資格条件はありません。
 最近では、若者の人口減少で民間企業の職員採用における国籍での差別選考はなりをひそめておりますが、幾つかの先進的な地方公共団体をのぞき、公務員採用における差別国籍条項は在り続け、様々な人権諸団体からそれらの撤廃を求められております。
 一見、貴団体の「花まつり」パレードにおけるマーヤ夫人の日本国籍条件は微々たるものに見えますが、朝日新聞のあの誇大な広告、皇族とのご親戚にあたる貴団体の座主等の社会的影響は大であります。在日外国人の立場からすれば、自分たちへの差別排除としか思えません。それはさらに絶対多数の日本人に対しても「お寺さんも日本人ファーストとおっしゃっている」というような、誤った差別優越感を与えるものであります。

 このような差別意識が、日常的に介在する中で、多々の悲劇的惨事が発生しているということを、長年教育にたずさわってきた私は、イヤッという程、知っています。
 貴団体が、誠に釈尊の御旨を宣教なさるのであれば、今回のマーヤ夫人の日本国籍条件は、早速、撤廃され、また何故に撤廃されるのかの趣旨を公表されるべきであります。-キリスト者として、共に日本に生きる宗教者として強く謹言し、抗議いたします。
                                                                      以上

 今後、「東山浄苑 東本願寺」にたいしては、人権行政、マスコミ、宗教団体などを巻きこんで、抗議活動を行っていきます。また、何も検証せず、この差別広告を掲載した朝日新聞にたいしても追及していきます。末永い闘いとなりそうですが、ねばり強く遣っていきたいと思います。(KMJ事務局)